『衝撃的(グルーヴィー)。そして爽快(リラキシン)。
DCPRG、渋谷毅オーケストラのリードアルト奏者 津上研太が初リーダー作をドロップ!』 −菊地 成孔(東京ザヴィヌルバッハ/ DCPRG) |
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01 Easy Crunch 02 朝霞み 「マウススープ組曲」 All composed by Kenta Tsugami |
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Title: 1st
Artist: BOZO No: ewbe-0003 Price: 税別¥2,190 (税込¥2,300) Release: 2002/8/21 |
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East Works Entertainment inc. |
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試聴 |
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最初にこの曲を書いたときはミディアムテンポを想定していました。演奏を繰り返すうちに曲が育ってゆくというか、ブラッシュアップされてきて、アップテンポになっていきました。そこでシンプルな別のラインをピアノとベース用に書いてこのアレンジに仕上がっていったのです。 | |||
この曲は、友人が闘病生活をしていた2000年の春に友人を励まそうと書いた曲です。作曲をしているとあっという間に夜が明けてしまうことがあります。 曲がだいたい出来かけてきたころふと外を見ると東京の街に霞みがかかっていました。とても印象的な景色だったのです。 最初にライブで演奏した録音MDを彼女に聴いてもらうことができましたが、残念ながら友人はその年の7月に亡くなってしまいました。思いは天までとどいていると信じて・・。 |
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ある日のこと、カナダに住む義理の妹からプレゼントが届きました。開けて見ると一冊の絵本が入っていました。その絵のかわいらしさから選んでくれたのでしょう。 それはアーノルドロベル作のマウススープという絵本でした。 絵本を読んみると、本編の中に別の話が上手に織り込まれています。とくに教訓のようなものがないところも気に入りました。まるで1つのCDを聴いているみたいでした。本筋はどこかに流れていて、曲が次々と移り変わってゆく。これをぜひ組曲にしたい!と思い立ったわけです。さてさてイタチとネズミの物語。 |
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登場人物(動物)はイタチとネズミです。
腹をへらしたイタチが、木陰で本を読んでいたネズミを捕まえてスープにしようと家に持ち帰ります。ネズミはとっさに 「ちょっと待って!このスープに'ストーリー'を入れれば 本当に美味しくなるのに!」 スープのナベに入れられたネズミは、腹をすかせたイタチにこう言います。 「‘ストーリー’ってなんだ?はやいところたのむぜ。 わしは腹が減っているのだ。」 こうしてイタチはまんまとネズミの話を聞くことになります。 ストーリーは4つの小話でした。 |
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1つ目の話「蜂と泥」これは、散歩していたネズミの頭の上に蜂の巣が落下してきて、乗っかってしまうという困った状況に始まります。ブンブンとうるさい蜂を追い払うためネズミは泥沼が自分の家だと嘘ぶいて蜂達を追い払うという話。 |
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2つ目の話「2つの大きな岩」ある丘の斜面にある大きな2つの岩が、丘色の向こう側を見てみたいと思います。そこへ飛んできた鳥に丘の向こう側を見てきてくれと頼みます。すると鳥はピュ―っと飛んでいって見てきた素晴らしい眺めを岩たちに伝えます。そこから動けない岩たちは、それを聞いて「僕らには決して見る事の出来ない眺めなのだ。」とがっくりと落ち込みます。100年経ったある日、もう一度丘の向こう側の景色を尋ねてみることにします。そこへ通りかかったのはネズミでした。 ネズミはちょいと丘の頂上から向こう側へ顔を出して戻ってきました。「あっちもこっちも眺めは同じさ。石ころと土だけだよ。」それを聞いた岩たちはああ良かったと晴れ晴れとした気持ちで過ごしました。 |
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3つ目の話「コオロギ」ある晩、ネズミが目を覚ましました。窓辺でコオロギが鳴いているのです。うるさくて眠れないネズミは「これ以上音楽はいいわ。」とコオロギに言います。しかし「これ以上の音楽がいい。」と聞き間違えたコオロギは仲間を呼んできて合奏を始めます。「もういいよ。もう、たっぷり聞いたよ。」とネズミが言いますが、「もっとたっぷりやって欲しい。」と誤解され、さらに仲間を増やすコオロギ。しまいに10匹での大騒ぎとなってしまい、ネズミは眠るどころじゃありません。とうとうネズミは怒って、「あっちに行け!」と怒鳴ります。ようやく通じたコオロギは「あっちに行け、だって。それならそうと最初からそう言えばいいのに・・・」そしてコオロギはどこかへと行ってしまいました。ネズミはぐっすりと眠りました。 |
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4つ目の話「棘(とげ)のある草」おばあさんが泣きながら家の玄関から出てきました。それを見たおまわりさんが助けに来ました。事情を聞くとどうやらおばあさんの居間のソファに棘のある草が生えてきたらしいのです。そこでおまわりさんはその草を抜いてあげようとします。ところが、おばあさんは 「やめて!そんなことしないで!私は座りたい訳じゃないの。この草がとてもすきなのよ。これが見るからに調子が悪そうなので泣いているの。ほらね。枝という枝はみんな枯れて落ちてしまったわ。」と言いました。おまわりさんは 「きっと渇いているんですよ。たぶん水が必要なんです。」と忠告すると彼女は水をかけてやりました。棘の草は水をかけられると身震いをしました。そしてみるみる緑の葉が枝から延びて、小さいつぼみが葉の傍から出てきたかと思うとあっという間に大きなバラの花を咲かせました。 彼女はお礼におまわりさんにキッスをして大きなバラの花束をあげました。 |
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の4つの‘ストーリー’をようやく聞き終わったイタチは |
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タイでは11月の満月の夜に街を流れる河に灯篭を流すお祭りが催されます。 灯篭は花で綺麗にあしらった直径20cmくらいの円形の小船にろうそくとお線香と小旗がさしてあり灯をともして流します。仏教色の強いタイでも日本と同じように死者の霊を灯篭に託す風習があります。タイでは火葬後に遺灰を河に流すのだそうです。そして神様に近づいてゆくと信じられています。首都バンコクで、偶然ロイカトンのお祭りに出会い、参加することができました。 大河チャオプラヤーの河面に映る満月と数え切れない灯篭はとてもとても美しく、今でも目を閉じるとその情景が浮かびます。その情景をメロディーにしました。BOZO「1st」のCDジャケットにはそのロイカトンをデザインしてもらいました。人はどこから来てどこへ行くのでしょう。 |
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東京に住んでいると否応がナシに人ごみの中にいなくてはならない時があります。そんな時ふと、すーっと自分の心の耳が身体を支配して喧騒が一つのサウンドのように聞こえるときがあります。みんなバラバラに勝手なことをしているのだけれども、基本的にルールに基づいて行動している。例えば信号は青になったら道を渡るとか。喧騒が遠くに鳴っていて静けさすら感じる。そういう風に曲を表現してみたいと思いました。 Calm Upとは造語です。 この曲が出来たときメンバーに曲の趣旨を話したところ「Calm down は"静かに"という意味だから Calm Up というのはどう?」と南氏がタイトルをつけてくれました。 |
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クインシー・ジョーンズ作曲によるものです。オリジナルはクインシー・ジョーンズビッグバンドでアルトサックス奏者、フィル・ウッズがフューチャーされています。同名タイトルのアルバムもあります。僕が大学生だった頃 先輩に教わって知りました。とにかく名演で、何回聴いたかわかりません。あまりに良い曲なのでBOZOを始めてすぐにレパートリーにしました。 |
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